フィールド・デザイン思考~右脳と左脳の交差点

弊社代表 見山謙一郎のコラムです

SDGs(Sustainable Development Goals)に関する一考

ここ最近、SDGs(Sustainable Development Goals)の取り組みついて、
「そもそもSDGsとは何か?」
「SDGsに、何から、どのように取り組んだら良いのか?」
「SDGsとCSRは、どう違うのか?」
といった相談を、企業、行政、金融機関から受ける機会が増えています。

ここでは、SDGsに取り組む為の3つのポイントを紹介したいと思います。

まず1点目は、「“当事者意識”を持つ」ということです。
SDGsは「先進国から途上国に支援を行う」という一方向の構図ではなく、先進国も途上国も、それぞれが世界(社会)のステークホルダー(課題当事者)として、現代社会の様々な課題に真摯に向き合い、取り組むべきものである、ということです。このことは結果として、企業、行政、金融機関に限らず、「社会課題ドリブンのイノベーション」を促すことにも繋がるものと確信しています。つまり、SDGsに対して、支援や貢献という、第三者的な視点ではなく、一人称の当事者として、「自分事として取り組む」という姿勢が重要です。

2点目は、SDGsを「自分たちの言葉に再定義する」ということです。
日本ではCSRを「企業の社会的責任」と直訳したことで、何となく義務感や見えない圧力による受け身の取り組みとなり、結果として企業戦略とは別次元の「社会貢献」という枠組みに押し込まれてしまった感は否めせん。同じ轍を踏まない為にも、SDGsは企業が一人称で取り組む戦略として、自分たちの行動を促すような言葉に再定義すると良いと思います。

為、ご参考までに、SDGsを私なりに再定義すると、以下のようになります。
“Sustainable”は、一般的には「持続可能な」というように訳されますが、私はこれを「循環する」という言葉に置き換えて理解しています。つまり、「循環する」ことにより、「自走可能な社会の仕組みを作る」ということです。ヒト、モノ、カネ、情報が循環すること、まさにこれはビジネスの役割です。また、社会全体がうまく循環し、自走する為に、行政は「政策」という社会制度や仕組みをつくり、金融機関は「金融」という経済循環を生み出す為の社会インフラを機能させています。このように “Sustainable”という言葉の中には、「循環し、自走する社会システムを創造する」という意味が含まれていると私は考えています。
“Development”については、「開発」と訳してしまうと、どうしても途上国開発のイメージが強くなり、どこか遠くの世界の出来事のように感じてしまうのではないでしょうか? SDGsは2030年までの目標です。つまり今から11年後の2030年に、我々がどうありたいか、それを考えることに他なりません。つまり、企業、行政、金融機関を問わず、「2030年という近未来に、どのような姿でありたいのか、またあるべきなのか」を考えることなのだと思います。こうしたことから、私は“Development Goals”を「2030年の近未来目標」と捉えています。このような感じで、再定義してみると良いのではないでしょうか。

3点目は、「SDGsは世界共通のモノサシである」ということです。
既にSDGsの17のゴールをモノサシとして活用し、自分たちが取り組んできた活動をマッピングしている企業も多いと思います。ここから先は更に一歩踏み込んで、少し先の近未来、つまり2030年に自分たちがどうありたいか、どうあるべきかを考えるための指標として、是非、SDGsの17のゴール、169のターゲットを活用すると良いと思います。このことは、自分たちのまだ見ぬ可能性を発見する機会にもなるでしょう。そして、SDGsのこうした指標を活用することで、社内連携や産学官民等のセクターを超えた連携や、国際連携にも繋げられるはずです。
世界共通のモノサシであるSDGsの17ゴール(目標)と169のターゲット(マイルストーン)を活用することによって、セクターを超えた「社会課題ドリブンのオープン・イノベーション」へと繋がっていくものと確信しています。

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