商店街の役割は終わっているのか?
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地域活性化
「商店街の役割は終わっているのか?」
なんとも衝撃的なタイトルだが、これは中小企業庁の地域商店街活性化事業に採択された、群馬県藤岡市にある藤岡市中央通り商店街振興組合、本通り商店街中央ブロック振興会の「上州藤岡まんなか市事業」の一環で、2014年10月4日開催された講演会のタイトルである。
もし商店街の役割が終わっているならば、私が講演を引き受けることはない。当然のことながら、このことは商店街の店主自身も強く感じていることだろう。
つまり、このテーマの答えは私が提示するものではなく、店主自身が自ら導き出すべきものだ。そんな理由から、講演会ではテーマを設定した参加型のワークショップをさせていただいた。テーマは、このコラムでも紹介した「創造と想像」、「オンリーワンとナンバーワン」。ディスカッションの中から、大変興味深い視点や論点が導き出された。
当日のディスカションの要点を整理すると、以下のようになる。
「想像と創造」
1、「想像(イメージ)」を形にしたのが「創造」
2、「想像」=「アート」≒東洋的、「創造」=「デザイン」≒西洋的
3、「想像」と「創造」の間を思考は行き来する
「オンリーワンとナンバーワン」
1、「オンリーワン」は「質」が問われる、「ナンバーワン」は「量」が問われる
2、「オンリーワン」=「非競争的」、「ナンバーワン」=「競争的」
3、「オンリーワン」=「主観的」、「ナンバーワン」=「客観的」
「想像」を形に(創造)するためには、まず声に出し、それから具体的な行動を起こすことが必要だ。声には出せたとしても、具体的な行動を起こすことはなかなか難しいと思う。そんな時には子どもの頃に誰もが経験した「実験」をイメージすればいいだろう。「実験」と考えれば、失敗してもいいように小さく試すことから始めるだろうし、何よりも好奇心やワクワク感を持ち続けることが出来るからだ。
そして、「自称オンリーワン」は世の中に数多存在するが、他人からも認められる「真のオンリーワン」となるためには、「ナンバーワン」を目指すことから始める必要がある。商店街の活性化のみならず、地域活性化を目指すためには、まずこの「現実」と向き合う必要性があるのだ。
当日は、そんな話をさせていただいた。
講演終了後、数名の店主の方が、ずっと温めていたアイデアをこっそり私に伝えに来てくれた。他の地域では聞いたことがない、とてもワクワクする興味深いアイデアだった。
いよいよ次は実験の段階だ。是非また、現地を訪れてみたいと思った。
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